2016/12/30

2016年のベストアルバム トップ10

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1位   CE Schneider Topical / Antifree 




格好のつく音楽と格好のつかない音楽、世の中には格好のつく音楽とつかない音楽がある。よそいきの服と普段着、良く着ているのはどちらで気に入っているのはどちらだろう?(そしてランキングに入りやすいのは?)
これは僕のお気に入りの普段着。鼻歌の最高級で最上級。ルンルン気分でコンビニへ、一歩、二歩、三歩、途中で口笛吹いて夢を夢見て気づけばアニメの世界に迷い混む。僕はヒューイでデューイでルーイ、聞こえて来るのはウェビーの声。おつりをもらってペプシを飲んで家に帰ってスウェットのままベッドに飛び込む。干したばかりの布団に包まれる幸せ、もちろん昼寝。そう、これこそ幸せ。






2位  DIIV / Is the Is Are



メインストリームに行くにはダメすぎて地下に潜るには魅力がありすぎる。疾走するギターにNEU、新しさはないけれど物語とセンスがそれを特別にする。あきらめと自覚、見捨てられないダメさ加減、滅びの美学はありふれた青春映画すらも特別な物語に変えていく。セックス&ドラッグ、暴力はそこになく寂しさだけが存在し膨れあがった自意識が孤独を深めていく。頭に浮かぶクリスチーネ・F。デビット・ボウイは死んだけれど音楽と物語は生き続け、そうしてまたダメになっていく。





3位 CTM / Suite for a Young Girl



潰れてしまった映画館で上映されていたヨーロッパのどこかの国の映画、頭に浮かぶのはそんなイメージ。哀しみと慈しみが響きそして染み渡る。平熱で感情は穏やかに揺さぶられ口を開けぼぅと時を過ごしていく。愛って言葉の意味を考えてぼんやりとしたまま爪を嚙み、孤独という言葉が出て来そうになるのを防いでいる。
出ていた女優さんはとても綺麗で癖のある美しい声をしていて、名前を思い出そうとするけれどその人の名前も映画の名前も思い出せない。そうして頭の中にただ良かったという感触だけを残していく。もやのかかった白黒の頭の中の理想郷。





4位   Chris Cohen / As If Apart



日曜の夕暮れ、犬を連れての河川敷。ランニングをしているおじさんに微笑む素敵なお姉さん。穏やかで幸せな時間には少しの哀愁があって、キラキラ輝いてはいないけれどでもだからこそ色あせない。内側からわき上がってくるぬるま湯の気持ち良さ、吸わない煙草を買ってコーヒーを片手にベンチに座り街を眺めて、家に帰るタイミングを探っている。オールドファッションのドーナツが入った袋から60年代と70年代の匂いが漂い満足げに微笑んで過去と未来に思いをはせる。未来を感じる懐古主義、コーヒーそしてドーナツ、この組み合わせはやはり最高だ。





5位 The Caretaker / Everywhere At The End of Time



起きたばっかり昼まで寝てて寝ぼけた頭でぼんやりと見ていた夢の続きを考え思い出そうとまた目をつむる。それはまるで物語の回想シーンのように時の流れが現実と違っていて……思わず走馬灯とういう言葉が頭をよぎる。でもそれはいつまでたっても自分のもののようには感じられずずっとふわふわしたまま。だけど嫌な感じはしない。他人の夢を夢見ているような、誰かの夢の中に入っているようなぼんやりとした心地良さ。
そうして気がついたら夕暮れでオレンジ色の光が部屋に差し込み、階下で夕飯の支度をしている音が聞こえてきた。コトコトコトコト、鍋の音を聞きながらTVをつけて再放送のドラマを見てチャンネルを変え、昔の映画を眺めてTVを消して再び目をつむる。こうしてあっという間に一日が終わり、また夢の中に入っていく。誰かが僕を呼ぶ声が聞こえた気がしたけれどそれはどこか遠くに響いて……。
ありもしない思い出に浸る記憶の旅路、ぬるい緑の海の味、ここはソラリス、きっとそう。






6位 Babyfather / ''BBF'' Hosted By DJ Escrow



Dean  Blunt監督の最新作はSF大作。Dean  Blunt、やはり彼は映画を作りたいに違いない。ソロになってからはずっとコンセンプトありきなアルバムを作っているような気がする。
近未来SF、車が空を飛ぶような時代になったっていうのに人はまだアイデンティティ、ナショナリティに悩まされている。This makes me proud to be British,This makes me proud to be British、ラジオ番組ってていでふざけていながらもいたって真面目、つまりはやっぱりHype Williams時代と変わっていない。変わったのはキャストだけ。シリアスのユーモア包み、ふざけている奴こそ信頼できる(好きだぜピンチョン)、そんな好きなタイプの映画みたいな好きなタイプの音楽。





7位   Jenny Hval / Blood Bitch



なんだかようやく彼女のことがわかった気がするよ。それはたぶん気のせいだけれどだからこそあっているようなそんな気分。前作よりも格段に聞きやすく輪郭もはっきりしてきて、今ならきっとその頬に触れられそうな気さえする。でも触れてしまったらきっと人生が狂う、たぶんこれはあっている。友人の評価がイマイチなのには理由があるのだ。She so cute、こんなことを言ってしまうと怒られてしまうかも知れないけれど腐りかけの食べ物が一番おいしいように狂いかけの彼女はとても魅力的だ。もしかしたらフリをしているだけなのかもしれない。でもだとしてもかまわない、本物の偽物ならばそれでいい。
愛って狂おしいものだってJenny Hvalは教えてくれる。






8位  Moon City Boys / I Need More 



スタイルとファッション。一過性のファッションはそれゆえに時代を映し、スタイルが自身を代弁する。Moon City Boysという完璧な名前とスタイル、ソリッドでジャキジャキのギターの音色は僕にAu Pairsの名前を思い出させてくれたけどそれ以上に頭に浮かんだのはThe Strokesのその姿。完璧なスタイルと音楽、それだけでもう素晴らしい。格好良さとはいつも憧れと共にある。






9位 Lust for Youth / Compassion














結局のところ10年代のNew Orderってだけなのかもしれない。でもそれだけじゃないような特別な響きがここにはあって……。どこにも繋がらないようでいてどこかに繋がっている夜のバックグラウンドミュージック。孤独でロマンティックで寂しくて、男らしくない男の子らしさと色あせない思い出がここにはある。それがきっと特別な響きを生むのだろう。あの日見た君の名前を僕は知らない、暗闇で光り輝く寄せ集め、僕の新しい宝物。



10位 David West / Peace or Love




それは街に貼られたコンサートのポスターのように心を躍らせ、やがてやってくる輝く時間に意識を飛ばす。何かが始まる予感、試合前の胸の高鳴り、期待が心を支配する。それは何にも代えがたく、それこそが生きる活力たりえるものでもある。僕はまだ起こっていない何かがが起きるのを待っている。後悔しない完璧な映画のような期待感(だがそれは幻だ)、この感情が明日も生きていたいという気にさせてくれる。貼られたポスター、壁の向こうに僕は未来を見る。





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